京都検定徹底研究:2014年3級第1問
最初の10問は、歴史・史跡に関する事項からの出題です。
第1問
【問題】
桂川流域の葛野一帯を開発し、土木・養蚕・機械などの新しい技術を伝えた氏族はどれか。
【選択肢】
【回答】
(イ)秦氏
【解説】
ここでの4つの選択肢は、いずれも公式テキストの中では、索引としては出てきていない。それくらい載せてもいいと思うのだが、方針が違うのだろうか。なお、公式テキストp. 11-13以下を参照のこと。
(ア)小野氏
「小野氏」(おの・うじ)は、近江国滋賀郡がその本拠地。京都市内では、地下鉄東西線の駅名として小野駅がある(ちなみに滋賀県にも「小野駅」がある。こちらはJR湖西線)。この辺りには、小野小町ゆかりの寺である随心院(真言宗善通寺派)があり、「小野化粧の井戸」や深草少将らからの恋文を埋めたという「文塚」がある。いろいろ怨念も埋まってそう・・他にも小野篁(おの・たかむら)、その孫の小野道風(おの・みちかぜ)らも、チェックしておきたいところ。
随心院:紅葉も綺麗なところです。
(イ)秦氏
試験対策的なキーワードとしては「養蚕」あたりを押さえておきたいところ。秦氏ゆかりの神社として、蚕の社(正式には「木島坐天照御魂神社」)があり、この本殿の右側にある摂社の養蚕神社(こかい・じんじゃ)が蚕ノ社と呼ばれることから、木島坐天照御魂神社の通称となった。境内には元糺の池があ流(現在は渇水状態)。ここに立つ三鳥居(三柱鳥居)は、京都御所の厳島神社の唐破風鳥居、北野天満宮の伴氏社の鳥居とともに京都三珍鳥居の一つ。
(ウ)粟田氏
現在の東山区粟田口を本拠地としたと思われる。ここには粟田神社があり、粟田氏が氏神として創建したとも言われている。粟田神社の入り口は、三条通、つまり旧東海道が通っており、京を立つ旅人をここまで見送ったという。京の七口の一つ。またそのことから、旅立ちの守護としても崇拝された。1000年の歴史を持つ粟田祭でも知られ、室町時代に祇園祭が斎行できない場合、この祭りを持って代わりにしたという。なお、近年では、『刀剣乱舞』(とうけんらんぶ)というゲームのキャラクターゆかりの神社として、特に若い女性の参拝客が増えている。
(エ)出雲氏
元々は山陰道の出雲地方から丹波を経て京都に移住したと考えられている。鉄を生産する技術を持ってたと思われる。出雲氏の氏上神社として、出雲高野神社と出雲井於神社がある。「出雲」といえば、島根県(京都からは遠い方。近い方が鳥取県。砂丘のほうが近い、と覚えておくと鳥取と島根を混同せずに済む)にある出雲大社が有名であるけれど、元々は亀岡市にある出雲大神宮から勧請されたものであるということなので、こちらを「元出雲」とも称する。出雲大神宮は丹波国一之宮。
また歌舞伎の祖とも言われる「出雲の阿国」辺りもチェックしておきたいところ。また現在でも「出雲」の名を持つ地名が残っている。
『刀剣乱舞』って映画もあったんですね・・・